Cellar Door

in Deciduous Forest

婚約記念日

プロポーズされた。

サファイアとダイヤモンドの婚約指輪。

パカって開けたら、光るんだあれ。

 

ビューティーインサイドみたいなロケーション。

水と光と、足音。いい音するんだよ。

 

魚がはねる。

随分分かってるタイミング。

 

指輪のサイズが少し大きくて合わない。

 

half eternity って言うらしい。

"永遠も半ばを過ぎて"

 

おしゃれなおばさんたちが、

「夢をもう一度」

と何度も大声で言いながら通りすぎる。

 

dream once more?

フィアンセも聞き取れたみたいだ。

 

居心地のいいベンチ。

指輪を、くれた人に一瞬渡したら落としやがった。

すぐそこで良かった。

もう離さないよ、そんなんなら。