園子温「部屋 the room」
園子温の「部屋 the room」という映画を見た。
彼はこんな映画も撮っていたのか…
女優の魅せ方が本当に上手いのは昔からなんだなぁこの監督。
「躁鬱で言うと鬱期の映画」というのは、妙にしっくりくる表現。
こんな long take だらけの映画はタルコフスキーをちらっと思い出すぐらいで
あんまり見慣れていなかったけど、
確かに電車のシーンなんかは印象に残るなぁ。
特にライトのあれがいい。
Andy Warhol の映画なんか(Kissとか)もそうだけど、
観客がこの長回しにどう耐えて、
映像と自分との間にどういう関係性を構築していくのかが問われている
感じはする。
主体的に見られる人でないと、見るに耐えない映画なんだろうな。
まあ、28篇の詩の映像化という見方を単にすれば、
客観的にも受け止められるんだろうけど。それだと正直ちょっと退屈すぎる映画かも。
"the" roomというだけあって、
観客がきちんと全貌を”内見"できる部屋、"良い眺め"がスクリーンに映る部屋は、
最後の一つだけなんですよね。随分いろんな部屋が出てきたようには思っても、実は。
それでその直後にあのシーンで、窓と女優を映したあのshotでエンディングなのは
とてもすばらしいと思います。DVDバージョンより全然良いです。